一年のうち5か月は夏バテをしている僕が考える「夏バテってなんだ?」

  今日は夏バテで一日中ぐったりしていた。暑さが辛いだけじゃなく、重力が3Gになったのか?ってくらいに体が重くなるのが僕の夏バテだ。変に生ぬるく、体に不釣り合いな重さになった自分の体は、お風呂の生ぬるいお湯をめいいっぱい吸い込んだタオルのように思える。気持ち悪い温度で、容積に不釣り合いなくらいに重いのだ。ただひたすらに暑い、ダルいだけを繰り返す暮らし。そんなわけで、一日中寝たり起きたり(割合は7:3くらい)をループしているうちに、僕にとって夏バテとはなんだ?と考えていた。 

 

   僕はとにかく夏に弱い。GWが明ける頃から夏バテになるし、そのまま10月初旬まで気怠さが残る。体質的な原因を上げるとすれば、まず熱を放出する力が弱いことだろう。それに加えて、低血圧なのがダルさを招いている。あるいは、自律神経が不安定なのも何らかの形で僕を瀕死状態に誘っているかもしれない。あとそもそもやる気がないのとか。まあよく分からないけど、あらゆる要素が僕と夏バテを切っても切れない関係にしているんだろう。

 

  そんな時に覚える感覚は、もはや体の不調とは少し違ったものだ。もちろん健康ではないんだけど、体調異常と要約するとちょっと違和感を覚える。じゃあ、なんと言えばいいのだろう。僕がしっくりくる表現は、身体が空間から拒絶されている、だ。

  夏バテになると、自分が体の内側と外側から強く挟みこまれているような気がする。アイロンのスチームのようにむわっとした外気や、ダルさや低血圧によって何倍にも感じる空気の重さが、外界を強く意識する要因だ。極端な日差しはまさに肌を射すようで、湿った生ぬるい空気は体の表面を包み込むように気持ち悪さを残す。空気が重いという感覚は分かってくれない人も多いが、低血圧の人には経験者が多い気がする。ダルさのあまり、動く気になれないのではなく、動こうとする体を空気が抑えこんでいるように感じるのだ。空気がいつもの3倍重くなって、全身にずっしり乗っかっているような感覚。これらのせいで、否が応でも外気強く意識してしまう。

 

 

  しかし、一方で体の内側にも強い違和感をもってしまう。一つは熱気が体内にこもっている感じで、もうひとつは空気が体を外に押し出そうとする感じだ。僕は肌が弱いため通気性が低いのだろう。排出されるべき暑さが体から出ていかず、いつまでも内側に滞留しているように感じる。そして、たまに感じるのが空気が内側から体を押し出そうとする感触だ。血流の真ん中から変に外側に向かう流れがあるがもちろん皮膚を突き破って外に出て行くこともできず、それがなんともソワソワさせる。逆に空気が内側に向かっている時もあって、そんなときには前述の重力とあいまって、体が小さなところに押し込まれているように感じる。

 

  と、こんなように体の内外から圧迫されているように感じる時には、意識というものがちょうど皮膚のすぐ裏の辺りにあるように感じる。それが両方向から押しつぶされるので、なんともいえずに辛いのだ。以上、夏バテについての感触を書いてみたけど、他の人の夏バテってどうなんだろ。一口に夏バテと言っても、意外と人によってイメージはちがうんじゃないだろうか。